生地は岡山県の機屋と契約し旧力織機で織り上げられる、オリジナルの13.5ozデニム。
XXの色落ちと質感を表現するため、世界が認めるデニムの街、岡山•児島の英知と、当時の製法にとことんこだわるConners Sewing Factoryの技術と情熱から生まれた力の結晶。糸、染め、打ち込みの数など全て当時のまま、The Originalのためだけにつくられた素材となる。
第二次世界大戦時、物資統制の命は生地にもおよぶ。それに背き、誕生したのが13.5デニム。しかし、戦時中の生産体制のため、生地にムラや傷が多く、織りのテンションも一定ではなかった。それは、非常に濃い染めとムラ感が特徴の、時代が生んだ短命のデニム。日本の技術を持って、そのデニムを表現する。
終戦後、物資統制から解放されたのは生地も同じ。しかし、強度を考え、それ以降も13.5ozがスタンダードとなる。安定した生産体制により、ムラが整い、より完成度を増していく。大戦デニムより青みが増し、表情が整ったデニム。
縫製糸にも妥協はしない。
ヴィンテージには現代にはない糸番手が使われていたが、当時のものを完全に表現することにこだわった。使用するのは太さにむらがある「ムラ糸」。質感を100%表現するためアメリカ製のものを使用している。糸色も退色加減まで考慮し、必要あらば自分たちで染める作業を行う。
リベット、ボタンなどの部材も全てオリジナル。
こんな小さなディテールも絶対に妥協はしない。無いものは自分たちで作る。 ― それが我々のものづくりの原点。鉄、銅メッキ、亜鉛メッキなど、当時と同じ資源を使い表現している。「本物」を追求するあくなき情熱が製品の細部にも息づく。
当時稼働していたミシン。
それは、The Originalを生み出すために絶対欠かすことのできない要素。我々の挑戦はこれらのミシンを手に入れることから始まった。文献を紐解き、今でも現存するものを世界中から取り寄せ、使える状態に整備する。ミシンは1900年代から1940年代の当時のミシンを使う。工程によって使うミシンも変わるが、その全てが当時のもの。時代に合ったミシンを配備して全ての工程に相応しい縫いを行います。非常に難しい技術も存在するが、「本物」を追求するためにはここでも妥協は一切ない。
材料、道具が揃っても、当時の製作過程の表現なくしては、The Originalは生み出せない。
その試みは何枚ものスーパーヴィンテージを観察することから始まり、針のサイズ、生地に対する糸のくいこみかげん、針幅など、当時のものづくりをそのまま表現している。また、定規を使わないフリーハンド、そしてアイロンを使わない手曲げ縫製にもこだわり、合理化、効率化の波のなかで、失われた技術と製品を後世に伝えることを目指している。こうした工程を経ることで職人の魂が製品に宿り、唯一無二の存在感を醸し出す。